賃貸物件を借りる際、信用情報による審査は重要になってきます。
近年、賃貸保証会社(家賃保証会社)を利用しての契約が主流になってきています。
連帯保証人を必要としない、賃貸保証会社を利用しての契約は諸事情がある方にとっては便利な反面過去の信用情報が審査に影響してきます。
信用情報による審査とはいったい何なのか?について詳しく説明していきます。
賃貸保証会社は、4つに分けられます。 ・信販系 ・LICC加盟 ・CGO軽 ・独立系
今回は、この中で信用情報による審査がある信販系保証会社について触れていきます。
1、賃貸物件を契約する際の審査とは?
賃貸物件を契約する際の審査は大きく3つになります。
①物件管理会社による審査
管理会社による審査とは、入居者に対して安心して貸せるかの審査になります。
入居後、近隣トラブルを起こさないか?など、申込書や身分証明書・保険証等を見て管理会社によって様々な審査項目で審査をしてもらいます。
管理会社によっては、インターネットでのエゴサーチなどを行ったり、記載された就業先に在籍確認の電話をしたりする場合があります。
②大家さんによる審査
管理会社の審査が通過しても、最終的に物件の大家さんの承諾が必要になってきます。
大家さんの資産でもある物件を、入居者へ貸し出す形になるのでトラブルは事前に防ぎたいという観点から慎重に判断されます。
③賃貸保証会社(家賃保証会社)による審査
近年の賃貸物件では、賃貸保証会社の利用が必須な物件が主になります。
日管協による調査では、2021年の段階で全国の賃貸物件の約85%は賃貸保証会社の利用を必須としているとの事です。
賃貸保証会社の役割としては、入居者が万が一家賃が払えない際に入居者に代わって家賃を立て替えなくてはいけません。
ですので、賃貸保証会社も様々な審査項目で慎重に審査しているわけです。
2、信用情報とは?
信用情報とは、借入れ・クレジットカードの利用履歴・支払い状況や延滞履歴、債務整理の情報などの情報になります。
・信用情報とは、何に使われるのか?
・貸付審査・・・ 銀行にて住宅ローンなどのローンを新規で組む際や、新しくクレジットカードを作成する際に信用情報にて返済能力が判断されます。
・金利の決定・・・ローンなどの金利や貸付条件などは、過去の信用情報を見て決まります。
・契約など・・・ 賃貸物件の契約や、保険の契約の際に信用情報にて判断することがあります。
・雇用時・・・ 一部の業種や職種によっては、信用情報や犯罪歴を見て雇用を契約する場合があるようです。
この信用情報は、3つの専門機関によって管理されており、信用情報は共有されています。
・CIC(株式会社シー・アイ・シー)
・JICC(株式会社日本信用情報機構)
・KSC(株式会社全国銀行個人信用情報センター)
この3つの専門機関では、基本的にクレジットカードやローンのお申込・契約に関する取引事実が登録されております。
人種や思想、保険医療、犯罪歴などの項目は信用情報には含まれていません。
この信用情報機関には、クレジットカード会社(銀行系や家電メーカー系なども含む)・保険会社・保証会社・消費者金融・携帯電話会社など様々な会社が加盟しており
様々な場面で、信用情報の提供がされています。
代表的な所では美容ローンや、ペットローン・クレジットカードの入会申し込み時などに、信用情報機関の利用・登録に関する同意書に署名をした記憶がある方もいると思います。
クレジットカードの支払い歴や、ローンの支払い歴は信用情報機関にて個人の信用情報として登録されており、今回は賃貸物件に関する審査ですが様々な場面で利用されています。
クレジットカードに支払いなどに延滞無く返済されていることを、信用スコアが高いといいこの信用スコアが高い人ほど、審査が通過しやすくなります。
反対に、信用情報機関に全くの履歴が無い(一度もクレジットカード作成歴が無い、ローン申込が無いなど)場合、信用スコアが低くなり審査に落ちてしまうケースもあります。
もちろん、信販系の保証会社を利用した賃貸物件を借りた場合のお家賃支払い状況も記録されますので、今後ローンやクレジットカードの作成等に影響する事が考えられます。
3、信用情報を利用しての審査をする目的
1 支払い能力の確認
一番は借主が安定した収入を得られており、毎月の賃料が支払えるかどうかを判断しています。
2過去の信用履歴の確認
過去にクレジットカードやローンの支払いで延滞がないか、任意整理(自己破産)等の破産歴がないかをチェックします。
3リスク管理
大家さんや物件管理会社にとって、リスクは最小限に抑えておきたい為、過去の信用情報を基にトラブルを事前に防ぐ対策を講じることが出来ます。
信用情報を利用した保証会社による、審査は入居者にとってデメリットが多く感じる事が多いと思われがちですが、
メリットとして、初期費用の面でJICC加盟や独立系の保証会社に比べて、信販系の保証会社は初回保証料金が安価な傾向にあります。
また、正社員として雇用されている場合や収入証明(源泉徴収等)が提出可能な場合にかなり早い時間で審査結果が出る傾向にあります。
早期や即日での入居を希望している方や、初期費用を抑えた引越しが希望の方にとってはメリットとなる事もあります。
4、信用情報審査内容
・信用情報機関(JICCやCICなど)から取得した信用履歴から確認
・ 収入証明
・雇用状況
4、信用情報審査に通過するためには?
信用情報審査に通過するためには、いくつかの対策が必要になってきます。
1、信用情報の確認
信用情報機関では、個人が信用情報の開示をすることが有料ですが可能になります。
過去の信用情報に何か思い当たる節がある場合や、不安な場合は土日でも確認可能なインターネットサイトを調べてみたり、郵送でも可能な機関もある為調べてみるのも良いでしょう。
また、信用情報を確認した際に誤りがあった例もあるため、確認をし誤りがあった場合には訂正の依頼を行ってください。
2、収入証明の準備
賃貸物件の審査においては、家賃等の支払いが毎月決められた日に遅れることなく支払えるかが重要になりますので、
審査によっては、直近2~3か月の給料明細や納税証明書・確定申告書を用意され置いた方が安心でしょう。
3、負債の管理
自身の負債状況については、事前に管理し、延滞や未払い・滞納は無いように気を付けましょう。
信用情報機関に未払いなどの情報が残ってしまうと、賃貸物件だけに関して言うと物件の選択肢を狭めてしまいます。
地域・家賃・内装等、こだわりたい点があると思いますので情報が残ってしまう前に事前に出来る対策は必要になってきます。
4、適切な物件の選定
収入に見合った物件を選ぶことも審査通過においては大切になります。
月収の30%以下に収まる月額賃料の物件が目安となってきます。
角に高額な物件や条件が厳しい物件は避けた方が審査通過率は上がります。
5、信販系保証会社を利用するメリット・デメリット
デメリット
・過去の信用情報をみて審査される
➡過去に、クレジットカードの支払い遅れやローンの返済遅れが1度でもあると、信用情報機関に記録が残り信用スコアが低く見られてしまいます。
何かしらの、心当たりがある場合は信用系保証会社の審査が厳しくなる事があります。
・信販系保証会社によって、クレジットカードでの家賃支払いが必須の場合がある
➡保証会社によっては、クレジットカードでの家賃支払いを条件としている場合があります。
中には、クレジットカードを持っていない方や利用したくない方もいると思いますので不動産業者に聞いてみると良いでしょう。
メリット
・他の保証会社(LICC加盟や独立系)に比べて費用が安い
➡費用の面でも、保証会社によって変わってきますが信販系の保証会社の方が初期費用が安価な傾向にあります。
また、中には家財保険等も付帯サービスとなっている場合があるので、初期費用を抑えた引越しがしたい方にとってはメリットになります。
・審査承認までの時間が格段に速い
➡信用情報機関では、データにて過去の信用情報が記録を基にした審査が行われる為、他の保証会社に比べて、審査スピードが格段に速い傾向にあります。
即入居や早期での入居を希望されている方にとっては保証会社による審査期間が短縮される事が考えられます。
まとめ
賃貸物件における、信用情報の審査とは信用情報機関に登録されている情報にて行う審査になります。
賃貸物件の保証会社では、信販系と呼ばれるクレジット関連会社などが運営する保証会社で主に信用情報が審査基準になります。
信用情報には、クレジットカード申込時に記載した情報の他、クレジットカードの決済歴や支払い状況・ローンの支払い状況等が記録されます。
過去に、クレジットカードの支払いやローンの返済時に延滞や滞納があると、信用スコアが低く評価され賃貸物件の審査にてなかなか通過が難しくなります。
この、信用情報は信用情報機関にて有料で開示することも可能ですので心当たりがある場合などは事前に調べてみるのも良いでしょう。
信用情報が賃貸物件の審査において重要となってくる理由として、毎月の家賃を遅れることなく支払っていける信用があるかという点を判断される為過去の情報が重要になってきます。
万が一、入居者が家賃の支払いを遅れた場合保証会社は、入居者にかわり家賃の立替をしなくてはならない為、賃貸保証会社にとって過去の信用情報から入居者の信用性を慎重に評価することになります。
半面、信販系保証会社の利用はかなりスピーディーな審査結果が出たり、初回保証料金等も他保証会社に比べて安価な傾向がみられるため、早期での引越しを基部尾する方や、
初期費用を抑えた引越しを希望している方にとってはかなりのメリットもあると考えられます。
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