2020年の段階で国土交通省住宅局「家賃債務保証の現状」では賃貸物件の契約時に家賃保証会社の利用率は80%以上との統計が出ています。
ですので、2024年現在では全国の90%以上の賃貸物件において、入居の際に家賃保証会社を利用しなければならないと考えられます。
家賃保証会社の利用は賃貸物件へ入居する為に免れない為、ブラックリストに載っている方の場合、物件によって影響が出てくることがあります。
1、家賃保証会社とは?
家賃保証会社とは、入居者が万が一家賃の支払いを遅れてしまったり、滞納してしまった際に支払いを立て替えてくれる会社です。
他にも、退去時の清掃費用や近年問題視されている孤独死等のトラブルの際に、入居者に代わって一時保証してくれます。
簡単に説明すると、大家さんや管理会社は入居者の事を知らない為、信用がなかなか出来ません。そんな入居者の信用を高め、家賃保証会社が入居中は保証するので、物件を貸してくださいと、入居者の信用を高めてくれる会社になります。入居者にとって家賃保証会社は本来の連帯保証人の役割をする味方という事になります。
2、ブラックリストとは?
実際に、ブラックリストというリストは存在しません。
ブラックリストに載ってしまったというのは、信用情報機関(CIC・JICC・KSC)にお客様のクレジットカード支払いの遅れや滞納・ローンの支払い遅れや・滞納の履歴が残ってしまい、
信用情報機関に事故情報として記録が残ってしまう事を指します。
事故情報の例として、自己破産や個人再生、任意整理・賃貸物件の家賃支払い遅れ・滞納もあります。
3、ブラックリストに載ってしまう原因とは?
信用情報機関に事故情報が残ってしまう状態を表す、ブラックリストですがどうしたら載ってしまうのか沢山実例はありますが代表的な物を見ていきましょう。
・債務整理
自己破産や任意整理・個人再生などの債務整理をされると信用情報に傷がついてしまいます。
・未払いや滞納
携帯電話機種の分割払いや、クレジットカード・ローン、カード発行会社の運営する家賃保証会社などなど、基本的に2ヵ月の遅れを生じると
信用情報に傷がついてしまいます。(クレジットカード発行会社やローン会社によって変わってきます。)
4、同居の基礎知識
同居とは、同じ家にどなたかと一緒に住むことを言います。
同じ家屋(家)で生活をし、仮に生計が別であっても、同じ家屋で生活をしていれば同居となります。
・二人入居可能
→二人入居とは基本的に、夫婦や婚約関係、親子や兄弟・家族や親族関係にあたる人物の入居を指します。
二人入居可能の物件でも、彼氏さんや彼女さんとのカップルの同棲は認められない物件もありますので、不動産屋さんに事前に相談し、物件を選びましょう。
・ルームシェア可能
→ルームシェアとは、友達や会社の人など家族や親族関係にあたらない人と入居する事を指します。
ルームシェアは近年流行っているとは言え、賃貸物件においてまだまだ数少ないのが現状です。
カップルの同棲は、ルームシェア可能物件であれば認められることもあります。
・単身者専用や女性専用
→単身者専用や女性専用・男性専用物件とは記載通り、専用物件になりますので該当しない人の入居は出来ません。
単身者専用物件での同居や、女性専用物件で彼氏さんとの同棲は、契約違反になり罰則対象となる事があります。
契約書の記載内容によっては、契約解除や違約金の発生等、トラブルとなりますので事前に契約事項は把握しておきましょう。
大家さんや管理会社は何らかの理由があって専用物件としています。専用と記載しているという事は該当しない人は入居出来ないため、募集も埋まりにくいリスクがあるうえでの専用物件にしている理由があるという事です。
5、ブラックリストが審査に与える影響とは?
では、実際にブラックリストが家賃保証会社審査に与える影響について触れていきます。
賃貸物件の入居審査は、大前提家賃保証会社の審査が通過しないことには先に進みません。家賃保証会社の通過後、管理会社や大家さんの審査に移行し管理会社や大家さんの審査が通過後晴れて、契約になります。
ブラックリストの影響は、基本的に家賃保証会社の審査に影響してきます。
家賃保証会社の中でも、信販系保証会社と言われる、クレジットカード会社の運営する保証会社など、信用情報機関の情報を見て審査を行う保証会社の審査に影響してきます。
家賃保証会社でも、信用情報を重視する信販系保証会社のほかに、LICCという協会に加盟している保証会社間の過去データによって審査を行うLICC加盟保証会社・独自の審査項目や審査基準によって審査を行う独立系保証会社の3種類があります。
信販系保証会社を利用した物件に入居する際には、必ず信用情報はチェックされる為、ブラックリストに載っていると契約は難しくなります。
ですので、結論的には信販系保証会社(信用情報を見て審査を行う)以外の保証会社を利用している物件を選べば、ブラックリストに載っていても入居審査は通過出来るという事です。
6、同居人が審査に与える影響
二人入居や、ルームシェアなどで、同居人が審査に与える影響は、良い影響と悪い影響がそれぞれあります。
同居人が審査に与える良い影響
・結婚している場合
→婚姻関係にある場合、長期的に物件に住んでもらえる事が考えられ、大家さんや管理会社は良く見てもらえる事があります。
・双方が定職に就いており収入がある場合
→同居する双方が、定職に就いており安定的な収入がある場合家賃の支払いに関して大家さんや管理会社は少し安心することが出来る為審査がスムーズに通過する事があります。
また、収入が二人分合算して考えることが出来るの物件もあるので、物件を選ぶ際に選択肢も増えてきます。
賃貸物件において、家賃の相場は月収の30%程度(家賃の36倍の年収)で考えて物件選びをすれば、審査もスムーズに行きます。
同居人が審査に与える悪い影響
・カップルの同棲や友人とのルームシェア
→カップルの同棲や友人とのルームシェアは、婚姻関係にある同居人に比べ別れて解消してしまうケースが多いため懸念されがちになります。
また、最初は二人の収入を合算した形で支払いの出来る物件を選ぶケースが多いため、万が一同棲解消や、ルームシェア解消になった場合に家賃が滞納されてしまう事が考えられたり、
大家さんにとっては物件に長期的に住んでもらいたいと願望があるのに対し、早期で退去してしまう事も考えられるため、カップルの同棲や友人とのルームシェアはどうしても懸念されがちになります。
・トラブル
→1人で入居するよりも、同居人がいる方が物件設備の使用頻度はどうしても多くなります。
ですので、物件の損耗に対して慎重にみられることがあります。
また、同居人がいる場合に騒音トラブルが多く見られる実例から、どうしても審査が難しくなってしまう事があります。
賃貸物件の多くは、集合住宅で他の入居者も暮らしている事は肝に銘じておかなければいけません。
・同居人の人柄や職業
→人柄や職業に関しは、単身での入居の際も同じですが、入居者の人柄や職業は重要視されます。
勤続年数が少なかったり、無職の場合には家賃を支払う事が可能か慎重に審査され、場合によっては追加で連帯保証人を求められる場合もあります。
また、個人事業主や水商売などの場合収入が安定しているのか疑問視されたり、夜間・早朝の出入りが激しい事が想定されるとどうしても近隣トラブルになりかねない為、慎重にみられることがあります。
・インターネットやSNS等でネガティブ情報が出てくる場合
→近年インターネットの急速な普及に伴い、入居者名でのエゴサーチをする管理会社も多くなっています。
その際、入居者や同居人に犯罪歴や虚偽の情報・反社会的勢力とみられるような記事や投稿が出てくると入居を断られてしまう事があります。
同居人のプライベートな部分まで知らなかったというお客様も過去いらっしゃいましたが、単身で入居するときに比べ2人分調査される為、万が一エゴサーチに引っかかると入居を断られてしまう事があります。
基本的に、賃貸物件に入居する際単身でも同じことが言えますが、反社会的勢力に関係する方や犯罪歴・逮捕歴がある方はどうしても審査に落ちやすい傾向にあります。
二人入居やルームシェアは、メリットデメリットも人数分倍あるという事になります。
大家さんや管理会社は、お客様の内情を全く知らない為、どうしても慎重に審査せざるを得得ません。
7、同居人がブラックリストに載っている場合
上記で説明した内容を踏まえて、同居人がブラックリストに載っている場合に賃貸物件の入居審査は難しいのかという本題に触れていきます。
→結論 同居人がブラックリストに載っていると審査に落ちてしまうケースもありますが、審査に無事通過するケースの方が多いです。
・入居審査に落ちる場合
入居審査は、基本的に申込者(契約者)の情報が審査されます。
収入を合算した形で家賃の支払いを考え、申し込んでいる場合には同居人も契約者の一人とみなされるため、職種・雇用形態・収入・信用情報(信販系保証会社の場合)が審査されます。
その際、信用情報に傷があるともう一人が審査通過したとしても、家賃を支払っていけるか疑問視され審査に落ちてしまう事があります。
生計を共に考えている場合には、どうしても審査が難しくなってしまいます。
・入居審査が通過する場合
→生計を共に考えていたとしても、物件の指定されている家賃保証会社で信用情報を見ずに審査を行うLICC加盟保証会社や独立系保証会社を利用した物件であれば十分に審査が通過する事はあります。
ただ、家賃保証会社は管理会社が提携している保証会社であったり、大家さんの指定によってきめられていたりする為、お客様にて選ぶ事は出来ません。
ネット上で募集されている物件の保証会社を聞いて選択していくのはかなり無謀であり、不可能と言えます。
→同居人を入居者として申請し、物件へ入居する。
物件へ入居者として申請する場合、契約者は一人になりますので物件の家賃帯も考えなくてはなりません。
いずれ二人で住むことを想定していても、家賃保証会社の審査は契約者一人なので、月収の30%程度の基準家賃内で物件を選ばなければ審査は難しくなります。
また、物件申込時(早期)で同居人を入居者とするとどうしても同居人も審査されてしまうケースがある為、数カ月家賃をしっかり払えるという実績を積んだ後に同居人と一緒に住むこととなったと
管理会社へ申請するのが一番スムーズに行くと思われます。
その際は、事前に不動産屋さんへ入居後数カ月して落ち着いてきたら同居したい人がいる旨を相談し、同居可能な物件を見つけてもらうことも大切です。
部屋の広さは合っても、物件によっては単身者限定や性別限定・同棲NGなど決まりがある物件もあります。
注意点
トラブルとなった事例で、一番おおいのがお客様の独断で勝手に二人入居やルームシェアをしてトラブルとなったケースです。
基本的に、契約書や重要事項説明書に記載されている内容が物件を借りるうえで全てです。
大家さんや管理会社に許可を得ず、勝手に同居したりすると、契約解除となってしまったり虚偽となってしまったり、最悪の場合契約違反で裁判となるケースもあります。
また、収入などの関係で代理での契約を両親や兄弟等にしてもらい入居する代理契約の場合も同様に無断で行うと又貸しなどの契約解除事項にあたり、
トラブルとなるケースがあります。
二人入居やルームシェアは、騒音問題や物件の劣化の関係上トラブルとなるケースが多いため、無断で行うのは絶対にやめましょう。
まとめ
同居人がブラックリストに載っている場合でも、物件の入居審査通過は可能になります。
ブラックリスト(信用情報の事故)だけでなく、家賃の支払い遅れや滞納も家賃保証会社の審査には影響してきます。
一度支払い遅れや滞納をしてしまうと、利用している保証会社に履歴が残ってしまい以降新規でのお申込時に審査が難しくなってしまいます。
家賃保証会社の中でも、LICC加盟保証会社で家賃支払いの遅れや滞納をしてしまうとLICC加盟保証会社間で情報の共有がある為、LICC加盟保証会社では審査に落ちてしまいます。
お客様自身の信用情報や、過去に支払いが遅れてしまった保証会社がある場合は保証会社名など事前に知っておくことで、お客様でも審査通過可能な保証会社を利用した物件の提案することが可能となります。
ただ、一般的な駅前不動産屋さんのような店舗では、基本的になかなか保証会社の審査難易度を加味して物件を提案してくれる所は数少ないのが現状であり、今回のように、同居人がブラックリストに載っているお客様の
事例が少ない為、相談の段階で断られてしまうケースや、一般的な不動産屋さんでお申込みをして審査に落ちてしまうなどといったお客様が多数いらっしゃいます。
まずは、諸事情がある方に特化した弊社のような不動産屋さんへご相談して頂くのが一番の近道だと思います。
また、弊社のように諸事情をお持ちの方に特化した不動産屋さんであれば、家賃保証会社の審査が比較的優しくお客様のご状況に応じた物件のご紹介が可能になります。
職業・収入・信用情報などなど、ご不安があるお客様はまずは審査に特化した弊社のような不動産屋さんへの問い合わせをご検討下さい。
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弊社では審査が難しい方専門のお部屋探しをしております。
ご状況等も様々ですのでお探しの際はご相談・お問合せくださいませ。